AHAガイドライン2015アップデートにより、BLSの範疇にナロキソン注射というのが新たに登場しました。結論から言えば、日本では無視していいものですので、一般の方は気にしなくていいです。
ただし、AHA版のBLSアルゴリズムの中では言及されているものなので、AHA-BLS教育に携わる人は知っておいたほうがいいでしょう。
これはオピオイド過量摂取、つまり麻薬中毒に関連した話になります。
麻薬を過剰摂取すると、呼吸抑制が起こります。簡単にいうと呼吸が止まります。
この初期状態で傷病者として発見された場合、「意識なし、呼吸なし、脈あり」という状態で認識されます。
BLSアルゴリズムに従えば、この場合は5−6秒に1回の補助呼吸(人工呼吸)をして、2分毎に脈拍チェックをして、救急隊を待つということはG2010のときと変わりありません。
しかし、傷病者が麻薬の常習者だったり、薬物摂取をうかがわせるような状況だった場合、緊急通報とAED手配の他、オピオイドの拮抗薬であるナロキソン自己注射器があれば持ってくるように周りに依頼することが追加されました。そしてAEDの場合と同様、可能になり次第、ナロキソン0.4mgを筋肉注射するということが、BLSアルゴリズムの延長として提示されています。
注射というからには二次救命処置の範疇と考えられますが、AHAガイドラインでは、これはヘルスケアプロバイダーだけではなく、市民救助者にも求めるBLSの範疇というのですから驚きです。
米国では2014年に市民救助者向けのナロキソン自己注射器が米国食品医薬品局(Food and Drug Administration : FDA)により承認されているそうです。
それだけ米国では薬物中毒が日常的だということなんでしょうね。
感染管理で有名なCDC(Centers for Disease Control)でも「市民救助者向けナロキソンプログラムが成功していることを強調している」とのこと。
米国に習い、日本のファーストエイド領域でもエピペンが入ってきました。そこに加えてナロキソン自己注射器も、ということになるのか、というとそういうことはなさそうです。
オピオイド中毒に関しては、ガイドラインの原本ともいうべき国際コンセンサスCoSTR 2015では、ナロキソン投与の効果を認めつつも、少なくともBLS範疇に組み入れることは推奨していません。
当然、日本のガイドラインも同じスタンスです。
このナロキソンの市民による注射は、米国が自国事情に合わせて独自に組み入れたものですので、その米国基準の講習プログラムを日本で展開する際には注意が必要な部分となります。
これまで医療者向けBLS部分では日米で大きな差異はありませんでしたが、今回、各国の独自性が色濃く出てきた印象です。
ただし、AHA版のBLSアルゴリズムの中では言及されているものなので、AHA-BLS教育に携わる人は知っておいたほうがいいでしょう。
これはオピオイド過量摂取、つまり麻薬中毒に関連した話になります。
麻薬を過剰摂取すると、呼吸抑制が起こります。簡単にいうと呼吸が止まります。
この初期状態で傷病者として発見された場合、「意識なし、呼吸なし、脈あり」という状態で認識されます。
BLSアルゴリズムに従えば、この場合は5−6秒に1回の補助呼吸(人工呼吸)をして、2分毎に脈拍チェックをして、救急隊を待つということはG2010のときと変わりありません。
しかし、傷病者が麻薬の常習者だったり、薬物摂取をうかがわせるような状況だった場合、緊急通報とAED手配の他、オピオイドの拮抗薬であるナロキソン自己注射器があれば持ってくるように周りに依頼することが追加されました。そしてAEDの場合と同様、可能になり次第、ナロキソン0.4mgを筋肉注射するということが、BLSアルゴリズムの延長として提示されています。
注射というからには二次救命処置の範疇と考えられますが、AHAガイドラインでは、これはヘルスケアプロバイダーだけではなく、市民救助者にも求めるBLSの範疇というのですから驚きです。
米国では2014年に市民救助者向けのナロキソン自己注射器が米国食品医薬品局(Food and Drug Administration : FDA)により承認されているそうです。
それだけ米国では薬物中毒が日常的だということなんでしょうね。
感染管理で有名なCDC(Centers for Disease Control)でも「市民救助者向けナロキソンプログラムが成功していることを強調している」とのこと。
米国に習い、日本のファーストエイド領域でもエピペンが入ってきました。そこに加えてナロキソン自己注射器も、ということになるのか、というとそういうことはなさそうです。
オピオイド中毒に関しては、ガイドラインの原本ともいうべき国際コンセンサスCoSTR 2015では、ナロキソン投与の効果を認めつつも、少なくともBLS範疇に組み入れることは推奨していません。
当然、日本のガイドラインも同じスタンスです。
このナロキソンの市民による注射は、米国が自国事情に合わせて独自に組み入れたものですので、その米国基準の講習プログラムを日本で展開する際には注意が必要な部分となります。
これまで医療者向けBLS部分では日米で大きな差異はありませんでしたが、今回、各国の独自性が色濃く出てきた印象です。