先日の日本蘇生科学シンポジウムでは、小児の心停止は2%未満で、ごくほんの一部にすぎないため、日本のガイドラインでは、大人の手順に吸収させたと言っていました。この点は前回のガイドラインから見直しはされませんでした。
最後に少し座長からのフォローが入りましたが、たった2%であっても、平均余命を掛けたら見過ごせない数字です。
公衆衛生として考えたら、最大公約数である大人の救命法を優先すべきというのはわかります。しかしCPRを学ぼうとする人は、日本国民の寿命統計を上げたいから学ぶわけではありません。目の前にいる人を救いたいのです。
ましてやそれが自分の子どもだったら……
子どもの特性を考慮した小児BLSは重要です。しかし、それを日本で学べる機会は減りました。
だからこそ、市民教育レベルでも、子どもの蘇生を大人の蘇生と明確に切り分けている米国蘇生ガイドラインの講習プログラムが注目されています。